辞書と頭は使いよう

辞書と頭は使いよう―電子辞書から百科事典までを使いこなす知的武装術

辞書と頭は使いよう―電子辞書から百科事典までを使いこなす知的武装術

SIS (105円) 20040403 ★4

ダイソー文庫シリーズ版で読みました。シリーズになっているようで「5 生活」となっています。値段は、ごま書房版が1260円で、ダイソー版では105円なので、ダイソー版と古本がはいい勝負なのかもしれません。ちなみに、私は、もらったのでタダです。一般の書籍とは違い、ISBNがなかったり、奥付とか著者の略歴とかが書かれていません。

第1章では、電子辞書について書かれています。残りの8章は、紙の辞書について書いてあります。辞書の使い方がいろいろ述べられています。表題どおり、生活科学の1つなのかもしれません。高度にいえば、英語でいうところの「インフォメーションリテラシー」* の一部門であると思います。

書中では、「読めない熟語を漢和で引くには、音索引より訓索引のほうがいい」など、すでに私が実行していることもありました。一方で、「英和なら『M』、国語なら『さ』が辞書の真ん中と覚えておくと早く引ける」などと感心することも書かれていました。ただし、『広辞苑』には、形容動詞が置かれていないというトリビアな記述はされてないようです。

「辞書は、ガラス戸棚に入れない」という項目があったので思い出したことがあります。私には、小学高学年から中学にかけて仲のよい友人がいました。その友人の彼が持っている百科事典のお話です。ある日、彼の家へ遊びに行きました。ガラス戸棚に入れてあった百科事典が気になって取り出してみました。彼は、ランクの低い高校に行くくらいの学力だったから、どうせ使わないだろうと思い、もらいたいくらいでした。事典を開くと、あまりにも使ってなかったようで、私が開こうとすると、表にかけてあったビニールのカバーが破れてしまいました。いちおう友人には謝ったものの、心の中では「事典なんて使いまくってナンボだ」と思っていました。

ネットの普及と無料で利用できるデータが多くなったので、紙の辞書を引くことは少なくなりました。小型の辞書に載っている程度の内容なら、ネットで検索可能です。ネットが使えるところでは、ネットを利用するようになるでしょう。また、外出先での利用も、電子辞書<に取って代わるのかなと思っています。

坂上順夫は東京学芸大学名誉教授・松坂大学教授。服部一敏は科学評論家。

英語でいうところの「インフォメーションリテラシー」:日本語でいうところの「情報リテラシー」では、情報を取り扱う機械の操作能力を意味するところが大きい。しかし、インフォメーションリテラシーでは、「情報」をもっと広い意味で定義し、情報を探索、編集、発表する能力など全般に及ぶらしい。