「分かりやすい表現」の技術 意図を正しく伝えるための16のルール ブルーバックス

図書館 (800円) /2004-05-25 ★4

情報の探索・選択・編集・発表といった情報リテラシの17冊目。アマゾンで似たような本を調べていたときにリストが出てきたのがきっかけである。図書館にあったので借りてきた。非常に読みやすく、2時間くらいで読み終えることができた。

著者は、理工学部卒で、ソフトウェア工学を専門としている。私の求めているものは、美しいソースコード(プログラム)を、文章でやろうとしていることである。別の言い方をすると、数学の証明のような美しさである。『草枕』に描写されている情景が美しかったり、形容や比喩が美しいのではない。そのため、私が望んでいたことを文章にしている著者である。

さらに著者は、英検1級、TOEIC900点とほかの言語にも精通している。ほかの言語に精通していると、たとえば日本語の欠点を知ったりして、日本語を客観的に捉えることができる。そのため、さらに記述に安定感がある。

とかく理系で英語ができる人の文章は、物凄く読みやすい。逆に文系で昭和1ケタ生まれの文章は読みにくい。

ルールが多すぎるので、まとめると、

  • 受け手の側に立って表現する
  • 自然な発想に逆らわない、複数の解釈をさせないようにする
  • 具体的にも説明する
  • 全体から把握できるようにする、一覧できるようにする
  • 適切な量にする、共通項でくくる、相互関係を明示する
  • 優先順位をつける、順序を明示する
  • 見やすくする

私が新しく知ったことは、共通項でくくるである。KJ法の応用ともいなくないが、同じ情報を共通項としてくくることによって、情報の量を減らすということである。

『「分かりやすい説明」の技術』も図書館から一緒に借りてきたので読んでみようと思っている。