法とは何か 新版 岩波新書 新赤版544

法とは何か 新版 (岩波新書)

法とは何か 新版 (岩波新書)

735円 /2005-06-29 ★4 図書館蔵書321

20年経って全面改訂された新版である。7年前に発刊された。

前半の、著者の正義論は、読み応えがあった。法は弱者を救済するものである。また、市民間の法は、対称であるが、国家や企業との間では、非対称であるとか。

後半に入るほど、社会情勢の執筆に力点が置かれていて、法とは、あまり関係が無いように思えた。ただし、欧米の国々は、福祉国家から危機管理国家に移ってきてるといった、社会情勢の流れが理解できた。

法の解釈について、p.224 ll.7-10で、クラシック音楽の作曲者と演奏者にたとえて、立法者と解釈者を説明している。クラシックファンの俺としては、理解しやすかった。

次は、著者の続編にあたる『法を学ぶ』を読みたい。

メモ:知る権利について p.113 ll.11-14

目次

序章 国家の法と社会の法
1.法とは何か

  • 1.法の精神
  • 2.法と民主主義
  • 3.法とルール
  • 4.法と道徳
  • 5.法と手続

2.法の歴史的変動

  • 1.欧米型
  • 2.日本型

3.現代日本の法システム

  • 1.近代法と現代法
  • 2.家族と法
  • 3.土地と法
  • 4.不法行為と法
  • 5.消費者の権利と企業

4.国家統治の法と国民の権利

5.国家と人権

  • 1.労働者の人権
  • 2.社会保障・福祉の権利
  • 3.子どもの人権

6.法の解釈と裁判

  • 1.法の解釈とは
  • 2.裁判

7.国際法と国内法のはざまで

  • 1.国際的軍事秩序
  • 2.国際経済と人権

あとがき