法を学ぶ 岩波新書 黄版338

200円?(480円) /2005-10-09 ★4 図書館蔵書321

感想

古本で見つけた本。200円くらいか。著者の『法とは何か』の続編。ただし、『法とは何か』には、新版が出ている。

法学とは、純粋法学だと思っていたけど、法社会学とは分けられることに気づいた。制定法以外に、「生ける法」が存在することを知ったことは、しょうじき驚きだった。

あとの章では、裁判所の問題点や、「権利」という概念の説明がなされている。

法の概念的部分は、理解したと思うので、次は、いわゆる法学入門のような書籍を読みたいと思う。

目次

まえがき/序説
法律学という学問

  • 1 法の論理学:論理の重要性/日本社会の非論理的体質
  • 2 法の論理と価値の関係
  • 法律学の歴史:一九世紀の近代法学/二〇世紀の現代法学/小括
  • 4 現代法律学の問題点:新しい方の優位/開かれた法の論理

Ⅱ 制定法と生ける法

  • 1 国民的合意形成のための条件:議会の問題/立法への国民参加/国民意識の問題
  • 2 制定法の機能と限界:法律制定当時の諸事情/私法規定の運用/公法規程の運用/脱法行為
  • 3 生ける法としての慣習法:生ける法/生ける法と国家法

Ⅲ 裁判の役割

  • 1 紛争と裁判:紛争予防/日本社会の紛争解決の特色
  • 2 現代国家における裁判所の役割:行政の司法化/司法の行政化
  • 憲法訴訟と最高裁判所の役割:裁判所の違憲審査/日本の最高裁の司法消極主義

Ⅳ 裁判過程

  • 1 裁判行動:裁判過程とは/事実認定と証明/裁判官の「心証」
  • 2 科学的な事実認定:鑑定の問題/証言の問題/その他
  • 3 法律構成:法律構成の役割/裁判における法創造
  • 4 裁判の決定に影響をあたえる諸要因:司法内部の要因/司法外部の要因

Ⅴ 権利社会の確立のために

  • 1 権利とは何か:権利と利益の差異/権利成立の条件
  • 2 日本人の法意識と利益社会構造:日本人の権利意識の低さ/現代国家における「権利からの逃避」状況/日本の利益社会の構造
  • 3 利益社会から権利社会への転換:権利社会と権利闘争/権利社会と法律学