バイリンガリズム ― 二言語併用はいかに可能か

バイリンガリズム―二言語併用はいかに可能か (講談社現代新書)

バイリンガリズム―二言語併用はいかに可能か (講談社現代新書)

2000 いつものスーパーの本屋で購入 714円 2006-03-26/04-13 ★3 図書館蔵書807 55353

2001年ころに、俺の中で英語学習のマイブームがあって、買って読んだようだが、しおりが途中に挟まってあった。たぶん、途中まで読んで飽きたようだ。

今回、またマイブームが起きてるので、一挙に読んでしまうことにした。また、英語の学習法としても、じゃっかん役立ちそうだったのもある。

英語学習法として役立たせようという趣きが高かったので、前半は科学的で役立つものが多かったが、後半は、主張や英語の引用が多く、手抜きかとすら思った。

わかったこと

バイリンガル」について共通の定義は存在しないようだ。日常生活で第ニ言語を使うシーンがあれば、それはバイリンガルとすることもできるようだ。

ある言語を話しているときに、もう1つの言語が混ざることを、「コード・スイッチング」というらしい。ちなみに、私は、ネットでコミュニケーションするときに、広東語を母語とする話者と、英語で話していますが、しばしば名詞で漢字を交えて表現することが多いです。

香港では、広東語と英語がよく使われている。広東語話者が、同じ広東語話者に…

  • 英語で話すと: 西洋化した、近代的な、地位が高いといった印象を与える
  • 広東語を使うと: 謙遜している、あるいは親しさを示そうとしているといった印象を与える
  • 英語と広東語をコード・スイッチングしながら使う: マナーが悪い、横柄である、攻撃的である、見せびらかしている、感じが良くない、といった具体的に否定的な印象を与える

という。ただし、ネイティブに確認してみたところ、「そんなことなく、普段から普通にコード・スイッチングしている。ただし、文書として書くのは好ましくない」という回答が返ってきた。

日本語でいうと、英語が敬語・丁寧語に相当して、広東語が普段のくだけた表現に相当するのかもしれない。たしかに、日本語でも、敬語とくだけた表現を混ぜて使うと、ふざけているように見える。

単語や発音は、急速に衰える。文法は、単語や発音と同じように、子どものように自然に覚えた方が苦労が少ないが、忘れるのも早い。理論的に覚えたら、数十年にもわたって記憶していることもある。

対象となる言語や、その言語の背景にある文化などに、好感をもっていないと、その言語のマスターはできないようだ。

家族で使っている言語から隔離されて、使えない言語を強制的に使わされていると、双方の言語もまともに使えない「セミリンガル」(ただし本書では用いていない表現)に陥るどころか、アイデンティティすら失うこともある。