注釈『甘え』の構造

2008-09-30 図書館146.1チ (1500円) 2008-10-01 ★3.5

感想

『「甘え」の構造』(初版)との差分だけ読んだ。注釈版に限らず、新版の方が読みやすそうだ。無理して古本を読まなければ良かった。

XVIページに、「…「甘え」はそれなくしては精神が成長しないぐらい重要な心の働きである。しかし「甘え」が何らかの理由により否認され、あるいは意識下に抑圧された場合には害をなすであろう」との指摘があった。

『「甘え」の構造』が誤解され、私は否認・抑圧された環境で育ったため、社会集団の中に入り込むことができないでいる。

出版によって社会的影響をもたらし、別の問題が発生しているが、著者にとっては他人事らしい。

■追伸 2009-07-08
土居健郎さんのご冥福をお祈り申し上げます。

目次(初版と注釈版の差分にNEW!を付した)

注釈版について NEW!
刊行二十周年に際して NEW!
第2版に寄せて NEW!
はしがき
第一章 「甘え」の着想
第二章 「甘え」の世界

  • 甘えの語彙
  • 義理と人情
  • 他人と遠慮
  • 内と外
  • 同一化と摂取
  • 罪と恥
  • 甘えのイデオロギー

第三章 「甘え」の論理

  • 言語と心理
  • 甘えの言語的起源
  • 甘えの心理的原型
  • 甘えと日本的思惟
  • 甘えと自由
  • 気の概念

第四章 「甘え」の病理

  • 「とらわれ」の心理
  • 対人恐怖
  • 「気がすまない」
  • 同性愛的感情
  • 「くやむ」と「くやしい」
  • 被害感
  • 「自分がない」

第五章 「甘え」と現代社

  • 青年の反抗
  • 現代人の疎外感
  • 父無き社会
  • 連帯感・罪悪感・被害者意識
  • 子供の世紀

文献
「甘え」再考 NEW!

  • (一)「甘え」の語義 NEW!
  • (ニ)「甘え」と同一化 NEW!
  • (三)個人と集団 NEW!

文献 NEW!

用語・人名解説 NEW!
人名索引 NEW!