サボり上手な動物たち――海の中から新発見!(岩波科学ライブラリー)
感想
バイオロギングによる動物の行動の紹介。
トピックスは面白いんだけど、差し込んでいるページ位置がいまいちで、本編の流れをぶった切ってしまう印象があった。
「野生動物はいつでも一生懸命」はウソで、「目的を達成しつつ、もっとも要領よく手を抜くこと」が観察できた。
メモ
- 14:バイオロギングとは、動物に小型の測定器、とくに小型のビデオカメラを付けて測定し、動物の行動を分析する。
- 17:これまでの研究では、研究者には研究目的があるから観測にバイアスがかかり思いがけない行動を見逃していたが、バイオロギングでは、すべて記録していて、思いがけない発見があるという。
- 29:海中生物なら海に潜る深さや鳥がおこぼれを捕食しているのがわかった。
- 50:水中では視覚が重要ではなく音響によって分析しているらしい。音を出して空間を把握する視覚障害者がいるがイルカも同じ手法を使っているらしい。イルカは140メートル先まで「見える」という。
- 54:エビが雑音を出していて、イルカのクリック音に影響を与えている。
- 60:他人の「視線」を盗むという。人間なら盗み聞きするようなものかな。一方、メガネ型やコンタクトレンズ型の情報端末で、視覚を盗むことも可能になるかもしれない。
- 75:眠ったように、らせん状に沈んでいくアザラシ。
- 118:「自然界で〜だから人間は〜すべきだ」と短絡的に考えることを「自然主義の誤謬」と呼ぶ。
※ページ数が不正確なところがあるかもしれない
目次
- 1 実は見えない海の中
- 2 他者に依存する海鳥―動物カメラで調べる
- 3 盗み聞きするイルカ―音で調べる
- 4 らせん状に沈むアザラシ―加速度で調べる
- 5 野生動物はサボりの達人だった!