痛快!経済学2

2007-09-29 図書館331ツ2 (1575円) ★5 2007-11-08/16

感想・メモ

最初は一般の経済学のおさらい。中ほどにIT革命が経済に与える影響。最後の方に、日本のシナリオ。

2005年に前著を読んでいる。この前著の内容が、マーケット万能主義者のように思えて、著者を酷く嫌っていた。

ところが、p.146で「〔略〕ケインズ経済学と新古典派経済学の中間点にあるはずだと、私はいつも考えているのです」という記述を見て、別にマーケット万能主義者ではないことに気づいた。といっても、その中間点が、具体的にどんなものなのかは記述されていない。

食糧安全保障について、問題の本質を迂回していると指摘し、「真の食糧安全保障とは、自国の農業の国際競争力を高める方向で議論しなくてはならない」と主張している(p.131)。そのとおりだと思う。

これまでのマーケットは匿名性を前提としたのを、初めて知った。p.157

将来は、会社の意思決定部門と管理部門以外、すべて派遣や契約のアウトソーシングになるらしい。

日本沈没の経済的なシナリオ:国債格付け降格 → 国債価格暴落 → 金利暴騰 → 国債日銀引き受け → ハイパーインフレ

目次
  • イントロ タイタニック号の衝突を回避するために
  • 第1章 マーケットの深い意味を知る
  • 第2章 マーケットの力を「うまく」使う
  • 第3章 情報の非対称性で世の中を見つめる
  • 第4章 どんな場合にマーケットは失敗するか?
  • 第5章 「大きな政府」の失敗を正す
  • 第6章 IT革命の新経済学
  • 第7章 IT革命が変える私たちの行き方
  • 第8章 グローバリゼーションと日本
  • 第9章 貯蓄率の低下が日本を変える
  • 第10章 私たちはタイタニック号のデッキにいる