起業と倒産の失敗学 文春文庫

2008-01-14 図書館335.13 (600円) 2008-02-06/11 ★5

強い会社をつくる失敗学』(日本実業出版社, 2003年刊)改題

感想

「失敗学」をより深めるために読んだ。ところが、タイトルからも分かるとおり、起業における失敗学だった。ちょうど、起業を考えてもいるし、失敗こそ学ぶことが多いので、読んでみた。

失敗学とは関係ないけど、起業は学歴に関係なくできるのだなと知り、勇気づけられた(もちろん、倒産も学歴に関係なく起きる)。

あと理念があると、金で死んでも、人で生かされ続けることも知った。

ハイパーネットの経営者が作ったゲームソフトで遊んだ経験があったり、コンパイルの「ぷよぷよ」と、自分が時代の中に生きていることを思い知らされた。

メモ
  • 232 「…定番商品・前年の売れ筋をアレンジした商品・新デザイン商品を、点数ベースで3分の1ずつ企画する、“3分の1理論”と呼ばれる独自のシステムで業績を伸ばしてきた」
  • 247 「見たくないものは見えない」「失敗は隠れたがる」
  • 251
    • 200億円 個人経営の限界 → 経理を育てたり・スカウト、マネジメントシステムの変更
    • 800億円 単一業態の限界(業界ナンバー1) → 同族企業から非同属企業へ、どんぶり勘定から科学的経営
    • 4000億円 単一企業文化の限界
  • 254 原因・結果ではなく、特性・要因に分けて考える
  • #特性・要因は、システム思考に似ていると思う
目次
  • はじめに / 文庫化に寄せて
  • 序章 “優良”成長企業はなぜつまづくのか
  • 第一章 欲得 個人の欲得がモノづくりの原点を忘れさせた 新日本技研株式会社(札幌市、1997年3月自己破産申請)
  • 第二章 気分 感覚の冴えに頼り見切りを誤る 株式会社オカノアソシエイツ(東京都目黒区、1999年8月和議申請)
  • 第三章 うっかり 細心の注意を払っていても避けられなかった誤判断 北部通信工業株式会社(福島市、2002年4月会社更生法申請)
  • 第四章 考え不足 際立つ独創性を大事業に育てられなかった浅慮 株式会社ハイパーネット(東京都渋谷区、1997年12月自己破産申請)
  • 第五章 決まり違反 常識を無視した拡大戦略裏目に 株式会社コンパイル(広島市、1998年3月和議申請)
  • 第六章 惰性 豪放磊落、面倒見のよい性格がアダに 株式会社ピコイ(新潟市、1999年10月和議申請)
  • 第七章 恰好 体面に固執し無理を繰り返す 株式会社サワコー・コーポレーション(名古屋市、2001年8月民事再生法申議)
  • 第八章 横着 “手抜き”経営で有名居酒屋を食いつぶす 北の家族株式会社(東京都豊島区、2002年1月民事再生法申請)
  • 第九章 思い入れ 「世のため」という思いが経営判断を誤らせる 株式会社カンキョー(横浜市、1998年11月会社更生法申請)
  • 第十章 社外活動に熱中し“無判断”のうちに破たん イタリヤード株式会社(京都市、2002年1月自己破産申請)
  • 終章「失敗」を活かし「強い会社」をつくる
  • 附章 ライブドアにみる起業と倒産の失敗学