キャリアデザイン入門1 基礎力編 日経文庫1096

2008-02-11 図書館366.29 (872円) 2008-02-19/22 ★4

感想

ジョブカフェ京都 eラーニング 若者しごと塾編」を見て、「キャリアデザイン」という単語を知ったが、詳しく説明されていなかった。「ジョブカフェ京都 eラーニング」は、あくまでも、目次にすぎないのなだなと改めて思った。後日、図書館で、中野麻美『労働ダンピング』を探しに行ったときに、その名ずばりのタイトルの本があったので借りてみた。

私としては、ニート脱出の手がかりとして読んだんだけど、「ニートは好ましくない」とだけあって、何の参考にはならなかった。

キャリアデザインとは、能力を開発するものであるという考えに則って、各々の能力にはこういうのがあって、こういう内容だというのは、理解しやすかった。

ただし、それらの能力を開発するには、「たくさんの経験が必要」とあるだけで、具体的なことは何も書かれていない(文章で説明するのは難しいのかもしれないけど)。つまり、キャリア・デザインの能力のカタログでしかない。

メモ
  • 17-19 キャリアについて考える3つのこと
  • できること(能力・才能)、価値を感じること(意味・価値)、やりたいこと(動機・欲求)
  • #勝間:やりたくて、得意で、もうかること
  • #価値を感じること→幸せになること→年収1500万円までは「幸せ」を感じる→もうかること
  • 66-67
  • 「自分探し」でフリーターになった人には、承認欲求が高い人が多い。
  • #「mixi疲れ」しちゃう人とかにフリーターが多いということかw
  • そのため、アルバイト先で認められるとそこを「居場所」と認識して長居してしまう傾向がある。使う企業の側はうまくフリーターの心理を掴んで低賃金で長く働いてもらおうとしてそうするので、そのテクニックに乗ってしまうと、気がついたときには三〇歳、ということになりかねない。
  • 74-75
  • …好きでない人との付き合い方に慣れることが欠かせないだろう。大事なのは相手のいいところを発見する技術かもしれない。悪いところがあっても、いいところを認めることで許せるし、いいところを活かすように付き合えばいいからだ。
  • 116-118
  • アメリカでは上司を信頼していると同時に対話も十分に行っている様子が見える。それに対して日本は上司を認めてもいないし、また対話も行っていない。上司を身内だと思うから上手くいかないのではないかと思う。上司を顧客だと思って、いかに自分を信頼させるか、いかに自分の提案に共感してもらえるか、適正な評価を得るためにいかにプレゼンテーションをするか、というように考えて行動するほうがよいだろう。
  • 138
  • また一時的に集中的に本を読むことも学習習慣を身につける上で有効だろう。…はじめは読んでも読んでも消えていく感じだったが、累乗の効果か、あるときからいろいろなものがつながって見えるようになった。
  • #うはー。いまの俺

対人能力

  • 親和力:他社との豊かな関係を築く
    • 親しみやすい / 気配り
    • 対人興味 / 共感・受容 / 多様性理解
    • 人脈形成 / 信頼構築
  • 協働力:目標に向けて協力的に仕事を進める
    • 役割理解 / 連携行動
    • 情報共有(報告・連絡・相談) / 相互支援
    • 相談、指導 / 他者の動機付け
  • 統率力:場をよみ、組織を動かす
    • 意見に耳を傾ける / 意見を主張する
    • 建設的・創造的な討議
    • 意見の調整、交渉、説得

対自己能力

  • 感情制御力:気持ちの揺れを制御する
    • セルフウェアネス:自分の感情や気持ちを理解し、言葉にして表現する
    • ストレスコーピング:自己に合ったストレス処理の方法を知っている
    • ストレスマネジメント:緊張感やプレッシャーを力に変える
  • 自信創出力:前向きな考え方ややる気を維持する
    • 独自性理解:他者と自己の違いを認め、自己の強みを認識する
    • 自己効力感 / 楽観性:やればできるという予測や確信をもつ #団塊世代が無駄に多く持ってる奴だなw
    • 学習視点 / 機会による自己変革:常に何かを学ぼうとする視点を持つ。経験の機会をうまく捉え自己の変革に活かす
  • 行動持続力:主体的に動き、良い行動を習慣付ける
    • 主体的行動:自己の意思や判断において自ら進んで行動する
    • 完遂:一度決めたことはやりきる
    • 良い行動の習慣化:自分なりのやり方を見出し、習慣化する

対課題能力

  • 課題発見力:課題の所在を明らかにし、必要な情報分析を行う
    • 情報の収集:必要な情報を適切な方法で収集する
    • 本質理解:客観的な事実に基づき、本質を見極める
    • 原因追求:さまざまな角度から課題を分析し原因を明らかにする
  • 計画立案力:課題解決のための適切な計画を立てる
    • 目標設定:ゴールイメージを明確にして、目標を立てる
    • シナリオ構築:目標の実現に向けたシナリオを描く
    • 計画評価 / リスク分析:目標の実現や課題解決に向けての見通しを立てる。幅広い視点からリスクを想定し、事前に対策を講じる
  • 実践力:実践行動をとる
    • 実践行動:自ら行動を起こす
    • 修正/調整:行動しながら適宜、内容に修正や微調整を加える
    • 検証/改善:結果を検証し、次への改善につなげる
目次
  • まえがき キャリアデザインは生涯のテーマ

[I] キャリアデザインの考え方

  • 1 わかりにくい「キャリア」という概念:「キャリア」と一口に言っても / キャリアについて考えるということ / キャリアの成功とは
  • 2 キャリア論研究をヒントにする:ベスト・マッチングを求めて / キャリアは偶然性が支配するもの / 節目またはトランジションという考え方
  • 3 能力とキャリアデザインの関係:能力論の起源 / 能力の構造 / 年零段階に応じて能力を身につける
  • 4 「筏下り」から「山登り」へ:はじめは「筏下り」で / 重要な「山登り」への転換 / 基礎力の上に専門力を積み上げる
  • 5 キャリアデザインを阻害するもの:仕事に対する諦観 / 間違ったスペシャリスト志向 / 仕事のブランク

[II] 年齢段階別 キャリアデザインの方法(三〇代まで)

  • 1 高校までのキャリア:小学校から中学校という段階で考えておきたいこと / 高校生のキャリアデザイン
  • 2 就職活動をにらんだ時期:自分が何に向いているか、何をやりたいのかわからない / 「自分探し」という放浪の旅 / 安定した企業に行きたいという誤り
  • 3 入社直後のキャリアの危機:リアリティ・ショック / 即戦力についての誤解 / 職場の人間関係でのつまずき / 第二新卒という再チャレンジ / 多様化する二〇代前半のキャリアルート
  • 4 三〇歳をにらむ時期のキャリアデザイン:このまま三〇歳を迎えていいのか / 学び直し / はじめての評価格差を経験する / ストレッチの時
  • 5 三〇代半ばの「筏下り」卒業期:「筏下り」の終わり / 次世代リーダー選抜 / 最後の転職チャンス / 出産とキャリアデザイン

[III] 基礎力を身につける

  • 1 すべての仕事に共通する力:基礎力とは何か? / 基礎力に似たもの 1.IQg / 基礎力に似たもの 2.コンピテンシー / 基礎力に似たもの 3.EQ / 基礎力に似たもの 4.人間力 / 改めて基礎力の重要性を考えてみる
  • 2 対人能力:親和力 / 協働力 / 統率力 / 対人能力を高めるということ
  • 3 対自己能力:感情制御力 / 自信創出力 / 行動持続力 / 対自己能力を高めるということ
  • 4 対課題能力:課題発見力 / 計画立案力 / 実践力 / 対課題能力
  • 5 処理力・思考力:処理力 / 思考力
  • 6 仕事に向かう態度:動機 / 価値観
  • あとがき 能力がキャリアをつくる