逆境がプラスに変わる考え方 PHP文庫サ6-10

2006 MOM (460円) 2008-09-14/20 ★3

『「スランプ・失恋・病気」をバネにする本』改題 asin:456953659X

感想

著者やその両親、さらには祖父などのエピソードを交えた生き方本。

引越しの際に処分するということで、母がもらってきた本。

前半の章では、目次(小見出し)と内容が、直接に一致しなかった。小見出しだけを読むだけで十分に役に立つ。著者のファンなら、面白いエピソードが散りばめられているようで楽しめると思う。

祖父譲りの楽観主義と、父譲りの粘着質みたいな対称なんだけど、血だと述べられるだけでは、何の役にも立たない。

後半に入ってから、使えそうなヒントが多かったような気がする。なお、同じ著者なら『どんなグズもなおる本』(だいわ文庫)の方が、直接的に役に立った。

この本じゃないけど、読み物として、ところどころにヒントがあるタイプの本が、「昭和本」には多かった。それで、落ち込んだときに読んだことあるけど、けっきょく切実な問題の解決策になることもなく、無駄な時間を過ごしたばかりであった。なので、この手の本は、予防的に読む本だと思う。

メモ
  • 43 (アメリカで)「「やり手とされるビジネスマンの半分はうつ病」だと記事のなかで精神分析医が語っているぐらいなのである。」
  • 70 母は、幼い著者をどこにでも連れて行ったり、大人たちが普通の子供には聞かせられない話も吹き込んだりした。そのため、世の中のことにたいして「免疫性」が強くなったという。
  • 110 ヒステリー性格が挫折から這い上がらせる:自己顕示欲性格
  • 130 「社閉病」会社に引きこもる病気らしい
  • 137 旅先から拾ってきた珍しい木の実を、帰ってきてから自分の家の敷地に植えるらしい。国内のものならともかく、海外のものは、植物検疫を通しているのかどうかとか気になった。
  • 140 「遊びが難しいといったのは、実はそれが無目的、無意識な行動であるからである。普通、人間の行動には何か目的がある。」
  • 146 「ユーモアとは人間関係を円滑にする道具である。」
  • 149 「うつ病患者に激励は禁物だが、おなじように周囲が明るすぎるのもかえって本人が落ち込むことにつながりやすい。」文中に、天皇・皇后とか教科書に出てきそうな文豪とかと知り合いだといことが記述されている時点で、うつになりそうだった。
目次
  • まえがき

第一章 誰にも必ず訪れる「人生のマイナス時間」

  • 回り道の数だけ人生は豊かになる
  • 人生に一度だけやって来る“魔のカーブ”
  • 斎藤家を襲った二つのマイナス時間
  • 精神科医がノイローゼになるとき
  • 「マイナス」があってこそ生まれた茂吉の文学
  • いきあたりばったり 茂太流人生遊泳術
  • ご用心! 過度な期待は「うつ」への落とし穴
  • 環境の激変が生むマイナス時間
  • 成功がかえって人間をダメにすることもある

第ニ章 対人関係は「マイナスが基本」と知れば楽になる

  • 「マイナス時間」の最大の原因は“喪失体験”
  • 夫婦間に入り込むマイナスの危機
  • 「失恋下手」な二人が招く成田離婚
  • 突然“マイナス家庭”になる熟年離婚の真相
  • バツイチ」は人生のマイナスにはならない
  • 核家族では子供の社会性は育たない
  • よく叱る上司はあなたをかわいがっている

第三章 病気というマイナスをプラスに変える法

  • 入院生活をプラス時間にする知恵
  • なぜ病人はマイナス情報に耳を傾けがちなのか
  • 不安をなくすには相手を知ることだ
  • 書くことで自分を見つめなおすことができる
  • 精神病はマイナスの病気ではない
  • 病気を克服することでプラスの人生になることもある

第四章 逆境をプラスに変えられる人・変えられない人

  • 八〇パーセント主義でスランプを乗り越える
  • 借金をしてもプラスに変えてしまう方法
  • ヒステリー性格が挫折から這い上がらせる
  • ヒステリーで復興したドイツと日本の違い
  • パニックでマイナス時間を作るな
  • “散り際の美学”は人生にはマイナス
  • 漱石、鴎外はマイナス時間をどう乗越えたか

第五章 心の疲れはこうして癒そう―旅、ユーモアそしてお酒

  • 何もしないことが本当の休養ではない
  • 趣味の種はどんなところにも転がっている
  • 遊べない人間はマイナス時間を生みやすい
  • 過度のストレスには長期休暇で対処する
  • ユーモアはマイナス時間を癒してくれる
  • アルコールこそストレス解消の処方箋
  • 正しい睡眠がプラス時間の素となる

第六章 プラス時間を生む茂太流・時間の使い方

  • 時間の奴隷になると忍び込むマイナス時間
  • 仕事のできる人は自分の時間を作るのがうまい
  • “自分だけの場所”がプラス時間を作る
  • 時間管理の上手な人は気分転換がうまい
  • 自分をプラスにするスケジュール管理

第七章 人生、最後でプラスになればすべて良し

  • 「ぎりぎりまで生をつかった」父・茂吉
  • 肩書きがなくなったときにプラス時間の真価が見える
  • 過去を忘れることが若さの原動力になる
  • 老いても積極性をもち続けよう