大学生のためのレポート・論文術 インターネット完全活用編 (講談社現代新書)

小笠原喜康. インターネット完全活用編 大学生のためのレポート・論文術. 講談社, 2003, 269p., (講談社現代新書, 1677).

2009-06-04 図書館816.5 (777円) 2009-06-06/12 ★4.5

感想

インターネットを活用したレポート・論文の書き方。

同じ著者の『大学生のためのレポート・論文術』を読み終えたあとに、続編である本書が出ていたことを知り、ずっと読もうと思っていたけど、いまになってしまった。

読んでる途中で、もっと早く読めば良かったと思った。というのも、試行錯誤を繰り返しているうちに、似たような検索経路を辿っていたからだ。ただし、私の場合は、きちんとした手順になっていなかったので、思い出したかのように、検索することが多かった。今回、本書を参考にブックマークを作り直した。

インターネットの変化は目まぐるしく、発刊から6年も経過していて、リンク先が移動していたり廃止されていたりするのも多くみかけるようになった。とはいえ、エッセンス的な部分は変わらないし、そういった部分が参考になった。

コピペ(コピー&ペースト・本書では「カット&ペースト」)が、ダメではないこととその理由に、真新しさを感じた。安易なコピペはダメだけど、自分で咀嚼して理解して血肉となっているなら問題ないという。

けっきょく、検索は効率的になったけど、読むとの書くというプロセスは省略ができず大変だというのを思い知らされた。

メモ
  • 33 国語辞典 → 百科事典 → 専門辞典・事典・用語集・図鑑
  • 95 国会図書館で本のリストを見る → NACSIS Webcat Plusで図書の連想検索 → Amazonで関連リストを見る → 手に入れたい本の書評を探して読む → 手に入れたい本を注文するか、図書館で探す
  • 209 いままで:知を蓄積することが求められた → これから:知を再構築することが求められているのではないか?、「知のデザイン」:目的にあわせて知を配置しなおすなど
  • 209-210 そもそも「知」というものは、モノや人などの場とそこに関わる人との間で織りなされる係わり合いの別称であって、誰か個人がもっていたりなかったりするようなモノではない。そうした「場」から離れて、誰にでも等しく分け持たれるようなモノではない。#「しみ込み教育」と関係あるような
目次

はじめに ― 新たな世界のおとずれ

0 インターネットでレポート・論文作成「五つのステップ」

  • ネットで書く「方法」
  • レポート・論文「五つのステップ」概略

1 第一ステップ テーマを絞り込む

  • 「テーマの絞込み」三方策
  • 「辞典・事典・用語集」で言葉集め:国語辞典を調べる/百科事典を調べる/専門辞典・事典・用語集・図鑑を調べる
  • 検索エンジン」を活用する:「検索エンジン」の使い方/「詳細検索」/「カテゴリー検索」/「ドメイン名検索」
  • 「文献リスト」を読む
  • コーヒーブレイクI グーテンベルクとインターネット ― 大学の権威崩壊序曲?
  • コーヒーブレイクII カット&ペーストは悪いことか? ― インターネット時代の著者性問題

2 第二ステップ 資料・文献を集める

  • 資料・文献のいろいろ
  • 「図書」を探し集める:「図書」集めのいろいろ/本を効率的に探す/本を手に入れる三つの方法(買う・借りる・ダウンロード)/「雑誌論文」を集める/新聞その他の資料を集める:新聞の記事を集める/統計資料や白書を集める/レポート・論文に役立つサイト集/翻訳サイトを利用する

3 第三ステップ レポート・論文の執筆

  • レポート・論文の執筆準備
  • レポート・論文のためのデータの処理法:webデータのダウンロード法(コピー&ペースト法・ドラッグ&ドロップ法・ファイル保存法・画面プリント法)/PDFファイルデータのコピー法/数値データの処理法
  • 読んでもらうためのレポート・論文の構造:レポート・論文を書くということ/レポート・論文の構造(印象・つかみ・展開)/エントリーシートの書き方

4 第四ステップ レイアウトを工夫する

  • 「升目」思考と「グリッド」思考
  • レイアウトの発想:版面が織りなす雰囲気を考えよう/言いたいことが際だつような紙面を考えよう/読み手の目を導く配置を考えよう
  • コーヒーブレイクIII インターネット時代の新たな知性 ― 低学力問題を笑う知性の登場

5 第五ステップ レポート・論文の電子提出

  • 電子提出の種類
  • 電子提出の「ネチケット」:送り先アドレスをきちんと確認する/誰が出したのかを明確に示す/何を出したのかを明確に示す
  • 電子提出の技術的注意点:ファイルのダウンサイズ化/特殊合成文字・特殊フォントを使わない/文書作成祖父との統一化

6 嘘つきの法則

  • 嘘つきのタイプ
  • 嘘つきの解読方法:あぶないあぶない強調発言/当然わかっているとは限らない「当然」発言/数字をもち出したら要注意/権威を持ちだしたらそれはもう/おいおい一緒にするなよ
  • 嘘つきの自分 ― メディアリテラシー
  • コーヒーブレイクIV 「論理的に正しい文」は書けるか?
  • 知識はどこにあるのか ― あとがきに代えて
  • 謝辞