あなたの話はなぜ「通じない」のか
山田ズーニー. あなたの話はなぜ「通じない」のか. 筑摩書房, 2003-10-20, 222p. ISBN4-480-87753-3.
2008-10-10 BKFS 420円(1470円) 2009-09-04/13 ★4
感想
コミュニケーション力向上のために読んだ。山田ズーニーは、NHK知るを楽しむ (木) 日本語なるほど塾 2005年4月(テキスト isbn:4141891223)に出演していて知り、本書を買うきっかけになった。
論理的で格のある文体というより、エッセイのような文体で、読み慣れてなく、スラスラと意味を汲み取るのが難しかった。ただし、論理思考とは違い、日本文化もしくは感情の共有といったアプローチを視点に書かれていると思うので、いかに文であっても共感を得るかに目的を置いていると思うし、著者のアプローチも誤りでないといえる。
メディア力にかんして、インターネット上では、その人との関係性がないのに、なぜかメディア力が高くなる現象が起きる。とくに、酷評していて不快感を残すほど、なぜか印象に残ることが多かった。しかし、近年になって、そういった人たちは、特殊な少数派であるらしいとわかってきたので、メディア力は、年々低下しているように思える。むしろ、1人(ないし少数)の暴論があった方が、情報のコントロールが無いことを意味していて、評価が高いことを、より裏付けるための存在としていた方がいいのかもしれない。
- 「意見・なぜ・問い」という3つの要素
- 「空間軸・時間軸・人の軸」による問いの広げ方
- 正論をいうと孤立すること
- 共感や信頼を得るためのヒント
が参考になった。
メモ
- 想いが通じる5つの基礎
- 1. 自分のメディア力を上げる
- 2. 相手にとっての意味を考える
- 3. 自分が一番言いたいことをはっきりさせる
- 4. 意見の理由を説明する
- 5. 自分の根っこの想いにうそをつかない
- 93 論点を選ぶ3つの言葉
- 1. あなたが心から話したい問いか?
- 2. 時間内に自分の力量(知識・経験など)で扱いきれる問いか?
- 3. 要求に叶った問いか?
- 137 言葉は関係性の中で相手の感情に届く
- 221
- 1. 伝えたいものがある(切実な動機)
- 2. 伝えるだけのものがある(10年以上の経験に象徴される)
- 3. 伝える技術がある(表現技術)
目次
プロローグ 想いが通じる5つの基礎
第1章 コミュニケーションのゴールとは?
- 通じ合えない痛み/自分のメディア力を高める/信頼の絆をつくる
第2章 人を「説得」する技術
- 論理で通じ合う大原則とは?/考える方法を習ったことがありますか?/いい「問い」をどうやって見つけるか?/どうやって「問い」の視点を広げるか?/筋道立てて話し・聞き・人とつながる技術/説得の筋道をつくる
第3章 正論を言うとなぜ孤立するのか?
- 関係の中で変わる意味/正論はなぜ人を動かさないのか?/等身大のメディア力をまとうために
第4章 共感の方法
- 情報は配列が命/共感を入り口にする/何を言うかより、どんな目線で言うか
第5章 信頼の条件
- 言葉が通じなくなるとき/はじめての人に自分をどう説明するか?/信頼される自己証明の条件/短いやりとりで、なぜあの人は信頼されるのか?/信頼の危機にどう対処するか?
エピローグ 通じ合う歓び