完全自殺マニュアル

2013-05-04 図書館 (1233円) 2013-05-04/12

感想

自殺のガイドブック。

図書館で自殺について調べたく、ベストセラーということもあり、すぐに浮かび上がった本書を読むことにした。アマゾンで確認したところ、初版発行から20年経ったいまでも販売されていて、1000番台のランキングであり、ベストセラーであると同時にロングセラーのようだ。

内容が内容なだけに、図書館では閉架されていて、書名の確認や貸出時に、なるべく表紙を見せないなど、館員は特別な配慮をしていたように思える。

さまざまな自殺の方法、実際にその方法で自殺した人の経緯などが解説されていた。

自殺するなら、首吊りが一番いいように思った。わが国の死刑でも用いられている。ほかには、感電死や凍死に興味が湧いた。社会的メッセージを込めるなら焼身自殺とかいいみたいだけど、大変な苦痛が伴いそうだ。そのほかのやり方は、お金がかかったり苦痛の多いものが多かった。

自殺という選択肢は、死んでおしまいに思っていた。しかし、本書を読むと、未遂で死ねなかったり、途中で助けだされて後遺症が残ったり、既遂でも遺族に捜索費用や損害賠償の請求が来たりして遺族に迷惑がかかることもある。さらに、一酸化炭素中毒で死のうとしたら、上の階の人を中毒死させてしまったとか、ガス中毒死しようとしたら、死ねなくて思わず一服しようとタバコの火をつけた途端、爆発して家主や周辺住民から損害賠償請求された事例が紹介されていた。また、遺体の発見の早さや腐敗状況で、損壊の度合いも違う。

苦痛がなく、お金もかからず、確実に死ねて、さらに、死後すぐに簡単に見つけられる自殺を行うには、かなりの準備が必要だし、最終的には運も味方しないとならないようだ。

読書期間中、拘置所で囚人が、輪ゴム11本を二重に首に巻いて自殺していたニュースを知った。刑務所や拘置所での自殺は、少ない物資・規制の多い環境で、いかに死ぬか、いかに首を絞めるかという技巧や芸術にも思えてきた。

本書の発刊後にブームとなった、硫化水素練炭による自殺方法が検討されていないのと、死刑制度の絞首刑を利用した間接自殺が紹介されてないので、改訂版を作って欲しいものだ。

アマゾンレビューにもあったけど、これでいつでも死ねると思ったら、かなり気楽に生きられるようになった。

メモ

57:ワイヤーで首吊りすると首が切れてしまうことが記されている。先日、首なしの自殺遺体が見つかり、ネットで他殺じゃないかと騒いでたけど、ワイヤーなどの切断力のあるもので吊ったのかもしれない。追記2014/01/18:中国の首吊り動画で、ワイヤーのようなもので吊った結果、切れているのを見たのでありうる。

60-61:首吊り自殺の時間的変化が記されているが、首吊り自殺動画を見た私としての評価は、だいたい合ってる。「ラザロ徴候」についても用語は用いてないが、その内容が書かれている。なお、失禁や脱糞は知っていたけど、射精してしまうのは驚いた。

62-63:首吊りと首絞めは違う。首絞めは苦しい。

86 「まずビルの7〜8階以上に立ち、下がコンクリートであることを確かめ、さらに人通りがないことを確認できれば大丈夫。思い切って飛び降りよう。2秒程度のダイビングの後、あなたは即死するか、気を失ってそのまま帰らぬ人となる」

143:「10円玉を誘電体」という表現があったけど、誘電体はもっぱら静電誘導を指すので、この場合、「端子」 などと表現するのではないかと思った。

154:この日記を書いている前日に、プール監視員が溺れ死んだというニュース記事があったが、泳ぎの上手そうなプール監視員が死亡とは笑い話に思える。しかし、実際には、鼻や口から耳管に水が入ると、三半規管の機能障害を引き起こし、平衡感覚を失い、泳げる人でも溺れるという。

目次
  • 1 クスリ
  • 2 首吊り
  • 3 飛び降り
  • 4 手首・頚動脈切り
  • 5 飛び込み
  • 6 ガス中毒
  • 7 感電
  • 8 入水
  • 9 焼身
  • 10 凍死
  • 11 その他の手段