自己愛性パーソナリティ障害のことがよくわかる本 (健康ライブラリー イラスト版)

2013-05-04 図書館 (1260円) 2013-05-04/05

感想

自己愛性パーソナリティ障害(人格障害)の解説。

自殺について調べようと図書館の本棚を眺めていたら、各種の障害について、わかりやすく書かれていた図書が置いてあったので、読んでみることにした。

自己愛性パーソナリティ障害の特徴としては、理想の自分とダメな自分との調和が取れず、有能感をさらけ出す一方で、ダメな自分とのギャップに気づき、自己愛が傷つくらしい。また、自分は他人より上か下かでしか見ることができないとか、他人を理想化→幻滅→人間関係が上手くいかなくなるという。

自分は、発達障害が原因で、自己愛性パーソナリティ障害を引き起こしているのではないかと思った。しかしながら、どれも数値で表せるような要素ではなく、どの程度から問題があるのか判らず、バーナム効果を引き起こしているのかもしれない。かりに、自己愛性パーソナリティ障害だとしても、最初から診断されることはほとんどないらしく、かなりの費用がかかるようなので、診療は無理。

上司が自己愛性パーソナリティ障害だと、部下が配置転換を求めていくしか対策はないようで、人事部や経営者が自己愛性パーソナリティ障害だったらを考えると最適解はないようだ。組織や集団における自己愛性パーソナリティ障害というのも考えたくなってきた。

ケース例のAさんは、他人の価値に振り回されて自信を失ってしまったけど、自分にはピアノがあるんだというところに再び戻って自信を取り戻していたが、立ち直る考えとして、大変参考になった。

目次
  • まえがき/【基礎知識?】パーソナリティは成熟していくもの/【基礎知識?】パーソナリティが障害されるとは?

1 自己愛性パーソナリティ障害は「関係性」の障害

  • 【特徴】健康な人間関係を築けないという障害/【患者像】他人の気持ちに無関心。愛しているのは自分だけ/【現れ方】心の病の奥底にひそむ、強すぎる自己愛/【現れ方】共感できないために周囲と摩擦を起こしやすい/【タイプ】現れ方によって大きく二つのタイプに分けられる/【診断】最初から診断されることはほとんどない/【関連疾患】自己愛性意外のパーソナリティ障害との関連は/【関連疾患】発達障害との関連性も考慮する/【関連疾患】内科や外科の病気として現れることもある

2 恥や屈辱感が耐え難く、怒りに結びつく

  • 【心理】傷つきやすい自分も尊大な自分も好きじゃない/【心理】「ばかにされること」にいちばん腹が立つ/【自己愛】健康な自己愛と不健康な自己愛の違いは/【病因】なぜこんなふうになったのか簡単にはわからない/【病因】乳幼児期に得られなかったものをさがし続ける/【病因】脳内の神経伝達物質の過不足という説/【環境】家族の役割と立場があいまいになっている/【環境】社会の変化に伴って患者が増えている/【見通し】高齢になるほど孤立し、生きにくくなる/【コラム】自己愛性パーソナリティ障害は遺伝するのか?/ケース例 Aさん 前編/Bさん 前編

3 治療法はオーダーメイド。マニュアルはない

  • 【受診】夫婦問題、「うつ」などが受診のきっかけ/【目標】「安定した自己」を得ることが治療の目標/【進め方】最初に治療のプログラムを作る/【治療法】心のうちを語り自分を理解する精神療法/【治療法】他者の気持ちを想像すること大切さに気づく/【治療法】つらい症状をとるために薬物療法を併用する/【治療法】家族全員でかかえている病理に着目する/【治療法】不和への本音を語る機会になる夫婦療法/【治療法】入院じたいがひとつの治療法/【コラム】治療には保険がきくのか?/ケース例 Aさん 後編/Bさん 後編

4 できること、してはいけないこと

  • 【本人】社会で生活していくために自分でできること/【家族】治療の協力者という立場を保つ/【家族】家族の機能、それぞれの役割を見直す/【対応法】批判や説教ではなく、共感からスタート/【職場】問題を客観的にとらえれる外部の目を/【相談先】つらい気持ちをかかえたままあきらめないで/【コラム】家族だけでも受診を。それが改善への第一歩