自分のアタマで考えよう
感想
はてブで知ったブロガーのちきりん(伊賀泰代ではないかと囁かれる)の著書。
著者によると、「「ゆるく」は生き方、「アタマ」は思考、「世界を歩いて」は世界観の源泉」なので、本書は思考方法を論じた本のようだ。
読後は「そんじゃーね」というゆるい感じなんだけど、いろいろな思考のパタンを短時間で学べた気がする。
メモ
第1章
- 20:知識とは「過去の事実の積み重ね」であり、思考とは「未来に通用する論理の到達点」
- 27:情報を無駄に集めるのではなく、意思決定のプロセスを超具体的に決めないといけない
第2章
- 33:考えるとは、インプットをアウトプットに変換すること
- 42:数字を見たら、「なぜ?」とその背景を探ることと、「だからなんなの?」と解釈や判断をして、どう対応するかを考える
第3章
- MECEのやりかた。カテゴリを置いていくのではなくて、すべてを含む空間から、分けていけば漏れがなくなる
- 86:#某教祖は30年前から、リーダーの重要性を説いているんだけど、リーダーに必要な、能力が欠けているから、アツイ奴を増産してしまった。さらに、信仰のためなら他人を不快にさせてもいいと考えているので、受け手から見たら人間性を欠いた状態であり、ただのウザイ奴となってしまったと思う
- 90:分析は比較から
- 92:親会社に提案できる能力をもつ
第4章
- 縦(時系列・歴史的観点)と横(他者比較・国際的視点)による比較
第5章
- 2×2マトリクス
第6章
- 141-142:#消費者庁はあるのに労働者庁はないのかとネタにしてきたことがあるけど、労働省は労働組合保護省だったのかあ。また、経済産業省は経団連保護省だという
- 147、消費者庁が必要になるのは、他の省庁が消費者のことなど考えてなく、担当業界の権益確保や規模拡大のために存在しているからだという
- この流れで「復興庁」を作っちゃったとか?
第7章
- フィルターが大事だとして就活を事例に挙げてる
第8章
- 答えが書いてある本や資料を探そう→調べて考えよう
- 失業等と自殺の相関なかったっけ?
- データをテクストにして分析する方法
第9章
- 年収1億のおばちゃんが、年間の電気代を2万円浮かせて「!」だよ
- 208、図67の「昨年の利益 20」の位置を誤っていますね
- 思考を視覚化する事例として、階段グラフを紹介している。たしかに、解りやすい。オフィスソフトで階段グラフを作れるのかな?
目次
序 章 「知っている」と「考える」はまったく別モノ
- プロ野球の未来について考えてみよう
第1章 最初に考えるべき「決めるプロセス」
- 会議を重ねてもなにも決まらないのはなぜ?
第2章 「なぜ?」「だからなんなの?」と問うこと
第3章 あらゆる可能性を検討しよう
- 日本にも格安生活圏が必要では?
第4章 縦と横に比べてみよう
- 戦後経済の縦横比較から見える日本が進むべき道
第5章 判断基準はシンプルが一番
- 婚活女子を見習おう!
第6章 レベルをそろえて考えよう
- 生活者目線で霞ヶ関の組織図を書いてみた
第7章 情報ではなく「フィルター」が大事
- 就活のための企業研究が無意味なワケ
第8章 データはトコトン追い詰めよう
- 自殺の動機トップが「健康問題」ってホント?
第9章 グラフの使い方が「思考の生産性」を左右する
- 階段グラフで電気料金の大幅削減に成功!
終 章 知識は「思考の棚」に整理しよう
サボり上手な動物たち――海の中から新発見!(岩波科学ライブラリー)
感想
バイオロギングによる動物の行動の紹介。
トピックスは面白いんだけど、差し込んでいるページ位置がいまいちで、本編の流れをぶった切ってしまう印象があった。
「野生動物はいつでも一生懸命」はウソで、「目的を達成しつつ、もっとも要領よく手を抜くこと」が観察できた。
メモ
- 14:バイオロギングとは、動物に小型の測定器、とくに小型のビデオカメラを付けて測定し、動物の行動を分析する。
- 17:これまでの研究では、研究者には研究目的があるから観測にバイアスがかかり思いがけない行動を見逃していたが、バイオロギングでは、すべて記録していて、思いがけない発見があるという。
- 29:海中生物なら海に潜る深さや鳥がおこぼれを捕食しているのがわかった。
- 50:水中では視覚が重要ではなく音響によって分析しているらしい。音を出して空間を把握する視覚障害者がいるがイルカも同じ手法を使っているらしい。イルカは140メートル先まで「見える」という。
- 54:エビが雑音を出していて、イルカのクリック音に影響を与えている。
- 60:他人の「視線」を盗むという。人間なら盗み聞きするようなものかな。一方、メガネ型やコンタクトレンズ型の情報端末で、視覚を盗むことも可能になるかもしれない。
- 75:眠ったように、らせん状に沈んでいくアザラシ。
- 118:「自然界で〜だから人間は〜すべきだ」と短絡的に考えることを「自然主義の誤謬」と呼ぶ。
※ページ数が不正確なところがあるかもしれない
目次
- 1 実は見えない海の中
- 2 他者に依存する海鳥―動物カメラで調べる
- 3 盗み聞きするイルカ―音で調べる
- 4 らせん状に沈むアザラシ―加速度で調べる
- 5 野生動物はサボりの達人だった!
しゅくだい (えほんのマーチ)
感想
姉のところにあった絵本。
この絵本の内容は良かった。実際に宿題として出題してもいいと思った。
子どもの気になる性格はお母さん次第でみるみる変わる
感想
子育て中の姉のところにあった育児本。
p172で「「ほめる」と「おだてる」は違う」と、おだてるのを否定しながら、p179では「ときにはおだてる」とある。p185では「言行不一致であることは、子どもを無用の混乱に陥れます」とあり、子どもでなくても読者を混乱に陥れないのかと思う。なお、p179に「先ほどおだてるという駆け引きはよくないと述べましたが」と予防線を張っている。
メモ
自己主張
- 乱暴・キレる:言葉で自分の気持ちを上手く表せない
- 消極的・引っ込み思案:先生がいてあなたを助けてくれるなど、安心できる場であること
- 反抗的・素直でない:「言い方は相応しくない」
- 頑固・負けず嫌い:次またがんばれ
- 自分のことを自分で言わない:自分で自分のことをした方がずっと誇らしい
動作(行動)
- 動作がのろい→いまやっている行動と次の活動の結びつき:見通しを教える。〜してから〜しよう。〜時までに〜しよう
性格
- 行動、対人関係、要求や気持ちのコントロール、感覚・知覚
なぜ気になるのか
- 別の子と比較したり、親の中で理想の子を妄想して、いい子や性格の決めつけ、自分や配偶者と性格に似ているとか、気持ちに余裕がないから。
満点ゲットSPORTS キャプテン翼の必勝サッカー
おこだでませんように
Webで全ページ試読できる(制限あり):おこだでませんように
感想
読み聞かせすると、泣きだすくらいに感動するらしい。一般的な感想は、ほかのウェブに任せる。
大人のコミュニケーション能力に疑問を投げかけている立場から意見を述べたい。
あらすじは、アダルトチルドレンの大人たちとズル賢いほかの子どもたちに囲まれて、絶えず大人たちから怒られるという、社会的ないじめに遭っていた。入学から3か月ほど経って、七夕の短冊に怒られないことを願いに書いたら、コミュニケーション能力に障害があると疑われる教諭(もしかしたら作者か)が、ようやく気づいて、指導の仕方を改めたというお話。
子どもは泣けば、泣かせた相手が制裁を加えられるのを知っていて、演技しているかもしれない。妹は母が帰ってきた途端に泣き出している。カーネギーの『人を動かす』の中に「盗人にも五分の言い訳」があるというので、一定の言い訳を聞かないといけないと思う。
大声で歌っていたら、入学式の日には誉めて、平時の休み時間に怒るのであれは、教諭はアダルトチルドレンの振る舞いである。税金をもらっているプロとしていかがなものかと思う。
主人公の児童は、鉛筆をかじっている跡が酷いので、かなりストレスを溜めているようだが、担任教諭が気づかないのは、税金をもらっているプロとしていかがなものかと思う。
教諭が七夕の短冊に願い事を書いて、ようやく教諭自身が頻繁に怒っていたのに気づくとか、税金をもらっているプロとしていかがなものかと思う。
なお、兄は妹のことが好きなようだ。図画工作の作品と思われる絵に僕と妹を描いている。
以上のように、教諭に恐ろしいほどの過失があるのに、七夕の短冊に願いを書いて叶ったという感動物語に持っていくというところに、教諭をはじめとした大人側には一切の過失はなく、むしろそれに気づいてやったんだ感謝しろという潜聖増上慢のような「悪」を見た。
あとがきに小さい字で「私たち大人こそが、とらわれない素直なまなざしをもち、子どもたちの心の中にある祈りのような思いにきづくことができますように」と述べていて、いちおうフォローしているようだ。
主人公の男の子が言い訳をしないのは、昭和的な男っぽさとしてのかっこよさはある。しかし、仲裁するとしたら、男の子の言い分も聞くべきだし、現代社会では、いかにおかしさがあっても言い訳しておかないと不利になる。
最後に、以上のような感想を持った私であっても読んでみて感動した。たしかに、単純に感動した方が幸せでいられるであろう。しかし、その感動は、本当なのだろうか、どこか嘘をついていないのかという疑問を持たずにはいられなかった。
なお、こういった感覚が、自分ではズレているのかという不安があったが、あんがいまともなようで、むしろ、テクストをよく分析できていたと自信が湧いた。
参照:第35回大人絵本会「おこだでませんように」 - Togetter : http://togetter.com/li/341723
完全自殺マニュアル
感想
自殺のガイドブック。
図書館で自殺について調べたく、ベストセラーということもあり、すぐに浮かび上がった本書を読むことにした。アマゾンで確認したところ、初版発行から20年経ったいまでも販売されていて、1000番台のランキングであり、ベストセラーであると同時にロングセラーのようだ。
内容が内容なだけに、図書館では閉架されていて、書名の確認や貸出時に、なるべく表紙を見せないなど、館員は特別な配慮をしていたように思える。
さまざまな自殺の方法、実際にその方法で自殺した人の経緯などが解説されていた。
自殺するなら、首吊りが一番いいように思った。わが国の死刑でも用いられている。ほかには、感電死や凍死に興味が湧いた。社会的メッセージを込めるなら焼身自殺とかいいみたいだけど、大変な苦痛が伴いそうだ。そのほかのやり方は、お金がかかったり苦痛の多いものが多かった。
自殺という選択肢は、死んでおしまいに思っていた。しかし、本書を読むと、未遂で死ねなかったり、途中で助けだされて後遺症が残ったり、既遂でも遺族に捜索費用や損害賠償の請求が来たりして遺族に迷惑がかかることもある。さらに、一酸化炭素中毒で死のうとしたら、上の階の人を中毒死させてしまったとか、ガス中毒死しようとしたら、死ねなくて思わず一服しようとタバコの火をつけた途端、爆発して家主や周辺住民から損害賠償請求された事例が紹介されていた。また、遺体の発見の早さや腐敗状況で、損壊の度合いも違う。
苦痛がなく、お金もかからず、確実に死ねて、さらに、死後すぐに簡単に見つけられる自殺を行うには、かなりの準備が必要だし、最終的には運も味方しないとならないようだ。
読書期間中、拘置所で囚人が、輪ゴム11本を二重に首に巻いて自殺していたニュースを知った。刑務所や拘置所での自殺は、少ない物資・規制の多い環境で、いかに死ぬか、いかに首を絞めるかという技巧や芸術にも思えてきた。
本書の発刊後にブームとなった、硫化水素や練炭による自殺方法が検討されていないのと、死刑制度の絞首刑を利用した間接自殺が紹介されてないので、改訂版を作って欲しいものだ。
アマゾンレビューにもあったけど、これでいつでも死ねると思ったら、かなり気楽に生きられるようになった。
メモ
57:ワイヤーで首吊りすると首が切れてしまうことが記されている。先日、首なしの自殺遺体が見つかり、ネットで他殺じゃないかと騒いでたけど、ワイヤーなどの切断力のあるもので吊ったのかもしれない。追記2014/01/18:中国の首吊り動画で、ワイヤーのようなもので吊った結果、切れているのを見たのでありうる。
60-61:首吊り自殺の時間的変化が記されているが、首吊り自殺動画を見た私としての評価は、だいたい合ってる。「ラザロ徴候」についても用語は用いてないが、その内容が書かれている。なお、失禁や脱糞は知っていたけど、射精してしまうのは驚いた。
62-63:首吊りと首絞めは違う。首絞めは苦しい。
86 「まずビルの7〜8階以上に立ち、下がコンクリートであることを確かめ、さらに人通りがないことを確認できれば大丈夫。思い切って飛び降りよう。2秒程度のダイビングの後、あなたは即死するか、気を失ってそのまま帰らぬ人となる」
143:「10円玉を誘電体」という表現があったけど、誘電体はもっぱら静電誘導を指すので、この場合、「端子」 などと表現するのではないかと思った。
154:この日記を書いている前日に、プール監視員が溺れ死んだというニュース記事があったが、泳ぎの上手そうなプール監視員が死亡とは笑い話に思える。しかし、実際には、鼻や口から耳管に水が入ると、三半規管の機能障害を引き起こし、平衡感覚を失い、泳げる人でも溺れるという。
目次
- 1 クスリ
- 2 首吊り
- 3 飛び降り
- 4 手首・頚動脈切り
- 5 飛び込み
- 6 ガス中毒
- 7 感電
- 8 入水
- 9 焼身
- 10 凍死
- 11 その他の手段