「問題解決力」がみるみる身につく本―ケーススタディで基本手順がよくわかる PHP文庫な44-1
2005-05-28 BKNS 157円(520円) 2008-06-09/09-09 ★4
感想
問題解決。向上問題や人間関係の問題にも及んでいる。
途中まで読んで、対話文に馴染めなかった。そこで、渡辺健介『世界一やさしい問題解決の授業』を読んだ。問題解決の基本しか触れていないが、問題解決の入門書としては役立ったと思う。一方、この本では、問題解決手法はもちろんのこと、向上問題への対応や人間関係への応用まで解説されていた。
この本を読んで、高橋誠『問題解決手法の知識』では、問題解決というより、向上問題の解決を述べている本だとわかった。
戸田忠良『システム開発管理の実践的チェックポイント』では、人間関係について、「けっきょくはコミュニケーションにかかっている」といったことしか書いてなく、どうしようものか困った。この本で、人間関係への応用のヒントが書かれていた。
章ごとにまとめがあるので、問題解決が何なのか理解している人は、そこだけ読めばいいのかもしれない。よくわからない部分だけトピックに返った方が、手っ取り早く読めるかもしれない。
問題解決も、PDCAサイクルに近いものがあり、汎用化・抽象化できそうな気がした。
1260円の新書で買った本は、たいした役立ったと思っていない。一方で、この157円の古本の方が知識になっていて、本は値段じゃないと思うと同時に、書籍の市場はこれでいいのか疑問に思う。アマゾンの古本市場では、絶版のせいだと思われるが、1000円ほどの高値がついていて驚いた。何だか格差社会のようなもどかしさがある。
問題解決の解説をする人は、外資系で働いている人が多いのだろうなと思ったり。
メモ
SMART p.169
- S:Specific(明確である。漠然とした指示にしない)
- M:Measurable(測定可能である。どこまでやればいいのか、指標がある)
- A:Actionable(行動可能。具体的になにをすればいいのかわかる)
- R:Realistic(現実的。無理なことを要求しない)
- T:Timerelated(時間を忘れない。いつまでなのかはっきりしている)
ポジティブ思考 p.208-209
- ポジティブ思考とは、『将来をよりよくしていこうとする意志、選択である』
プロアクティブ p.213
- プロアクティブな姿勢とは、先を見越した行動を率先して取ろうとすること
目次
はじめに / 問題解決の基本手順 / 登場人物
第1章 問題とは、そして問題解決とは(問題の定義を曖昧にして、間違った問題解決をしていないだろうか)
- 問題解決者、それとも問題創造者?
- 問題発生→困る→イヤだ→逃げろ→そして……?
- ところで「問題」とはなんだろう?
- それは誰の問題なのか?
第2章 問題をはっきりさせる(広い眼で問題を見て、取り組む決意をした問題解決では安易な妥協をしない)
- 問題は、いったい、いくつあるのか?
- 問題が問題を呼び、問題がどんどん増えていく?
- 問題をつかむことができない?
- 変身した問題?
第3章 ゴールを定める(現実も大きな目標も、どちらも忘れることなく、確実に成果を得ることを目指す)
- 自分はその程度でしかないのか?
- どこまでやれば、ゴールに達するのか?
- ゴールの設定が低いときはどうするか?
- すばらしいゴール。でも、できるのか?
第4章 原因を突きとめる(思いつきで無駄なことをせず、確実に原因を探求し、対策に結びつける)
- これが原因だ!
- 原因をあぶりだす魔法の言葉!
- 原因を突き止めた。本当にこれで大丈夫?
- これが事実だ!
第5章 解決策を見つけだす(むやみやたらに解決策を連発せず、効果的な解決策を創りだす)
- なにが解決になるのか?
- 解決策を打つことだけに集中していいのか?
- 他に解決策がないのか?
- 解決策がない?
第6章 解決策を実行する(瞬間で終わらせるのではなく、対策をプランし、障害を克服して、最後までやり遂げる)
- すぐに解決すると思ったのに……?
- どうしてここまでしなくてはいけないの……?
- どこまでやればいいのだろう……?
- 対策が新たな問題をひき起こす?
第7章 問題解決後にするべきこと(問題解決後に行なう仕事大きな違いを生み出す)
- 問題は解決したのに……?
- それにしても、なぜ、こんなことが起こったのだろう……?
- それもわたしがやるの……?
- さらに、ほかは大丈夫か?
第8章 未来を切り拓く向上問題(マイナス状態からの回復だけではなく、意識して向上をプランする)
- こんな問題にも取り組みたい!
- 誰にでもチャンスはある!
- 思っただけでは向上はできない?
- ゴールはなんだったんだろう?
第9章 人間関係の問題(1)(リーダーとして、メンバーとの有効なコミュニケーションの基礎を固め、作業環境を整える)
- わたしはちゃんとやっている!
- なぜ聞けないのか、聞かないのか?
- 仕事のやり方は工夫次第?
- わたしの判断に間違いはない!
第10章 人間関係の問題(2)(リーダーとして、メンバーに効率的に働きかけ、成果をひきだす)
- てきぱきとこなしてはいるが……
- よいことはよいと言う。それも……
- 悪いことは悪いという。それも……
- 働きかけはしているのに……
第11章 問題解決者(解決へのシナリオを示し、達成可能なことを示すリーダーになる)
- 夢を追いかけるということは……
- 次をどうするか、決断のときの心構えは……
- 先頭に立って進むのはいいけれど……
- のせきれない人がいる?